育ちとエレガントと「っ」

アタシはデヴィ夫人が好きです。

賛否両論あると思いますが…

エレガントを独学で学んだ方だと思うので。





アタシの幼い頃の育った環境はとても貧しい母子家庭でした。

母が水商売で生計を立てていたので夜は1人になってしまいます。

そこでアパートの隣りの借家に住む母方の祖父母と暮らしていました。

祖父母は事業に失敗していて貧乏だったけれど

とても品の良い夫婦で丁寧な日々を暮らしていました。

母は場末のスナックの雇われママだった仕事のせいなのか言葉遣いや所作が下品でがさつでした。



アタシが小学2年生になった頃、

母に仕事をしない博打好きでアル中のいくつも歳が下の寄生虫のような男が出来ました。

アタシは祖父母と離れて、母とその男と一緒に暮らす事になりました。

男と母の間にはすぐに子供が2人産まれました。

男とは籍を入れず認知しただけの子供です。

母は40歳近く、男は30歳過ぎでした。

男は母をブスでデブだと馬鹿にして

あんなババアと籍なんか入れるかとせせら笑っていました。



場末のスナックでは大した収入はありません。

あっという間に借金は膨れ上がりました。

それでも男は働かず、パチンコに負けてはヤケ酒を飲み母やアタシに暴力を振るい続けました。

母もすっかりギャンブル依存症となり2人してパチンコ三昧の生活を送っていました。


アタシが中学生になると男に風呂を覗かれたり、触られたりセクハラが始まりました。

アタシは祖父母の家に逃げていました。

アタシが高校を卒業する頃には借金はどうする事も出来ないくらいに増えていました。


アタシは卒業後、すぐに就職しました。

働いていたお店に母が何度もやって来て

店先で「金を貸せ!」と大声を上げたのです。

アタシは店長に注意されてその店に居づらくなり

辞める事となりました。


そして、アタシが一人暮らしをしている部屋に母が

大家さんに「親だ」と言って入らせてもらい、

アタシの給料を盗んでどこかに消えてしまいました。

男との子供を施設に預けて、アタシから盗んだお金で母と男は県外に夜逃げしたのです。


あとで聞くところによると男の地元で

パチンコ屋で住み込みで働いていたそうです。



その後、祖母のお葬式で再会し和解したのですが、

やっぱりギャンブル依存症は治っておらず。

下品な言葉遣いや所作も当然治るはずもなく。

もう縁を切ることにしました。


未だに年に数回、あの男に殴られる夢を見て

泣きながら目を覚まします。

もう30年以上経つのに。

思い出すだけで涙が出ます。








アタシはエレガントでいたいとずっと思って生きて来ました。

母のようになりたくないと。

でも、育ちの悪いアタシが上品になれる訳が無いと

いつもどこかで思っていました。

だから、せめて言葉遣いや所作だけでも美しくありたいとずっと心で思っています。







デヴィ夫人は小さい「っ」は使わないそうです。


こっち→こちら


あっち→あちら


そっち→そちら


どっち→どちら


やっと→ようやく


もっと→さらに




少しの事ですが、心掛け次第でエレガントになれると

アタシはそう思っているのです。