カンニング

夫が県外の出張から帰るのが16時だと言うので15時半に帰宅するとして…

5時間半のデートかぁ。

ホテルまで往復1時間かかるから微妙に短い( ;∀;)


外食するのも早過ぎだし、郊外のホテルなので、そもそも飲食店がない😰


じゃあ、作りましょう。

お買い物も楽しいしね、って事で。

なんでもイベントと捉える不倫カップル。



すき焼き食べたいねー!と前の日に相談してたので大きなスーパーへ。




まずお肉見に行こうよと精肉コーナーへ。

「ソネミさんお肉好きでしょ」と2パックカゴに入れた彼。


貧乏なアタシはつい、値段を見てしまう💦

2パックで約¥5,000



Σ( ̄。 ̄ノ)ノ



アタシ「高くない❓」

彼「そうなの❓

でも、1パックじゃ足りないよね」


まぁ、彼は間違いなく足りないわね💦



それにしても2人分、しかも1回分のすき焼きの材料を買うのは難しい💦

厳選して…


椎茸、白菜、結んだ白滝、冷凍うどんをカゴに。

焼き豆腐は絶対食べられないと泣く泣く諦めた😢

割り下も買って、卵好きのアタシ達はブランド卵を2こずつパックに入れた。




そしたら彼がニコニコしながら「オヤツ買おうよ」と言う。

彼はアタシがスイーツを一切食べないのを知ってるのに…


彼に連れられて来たのはフルーツコーナーの

シャインマスカットの前。

大きくてツヤツヤ✨


「美味しそうじゃない❓」


うぅ…

これは食べたい。

是が非でも食べたい。

でも、太っちゃう💦


「贅沢しようよ」



彼の言葉であっさり誘惑に負けてしまった💦


「食べられるかなぁ」と大粒の一房を選んだ。


普段は果糖も節制してるので

シャインマスカットなんて彼と3年前にBARで食べて以来かも。





 


早速、キッチンバサミでチョキチョキ切って、グツグツ…

匂いがこもるといけないのでバスルームの大きな窓を全開にして

他の部屋のドアも開けた。


彼が牛脂で焼いてくれて。

ジューっと割り下入れて。


お肉を頂く。



「おーいーしーいー‼️」



柔らかくて脂がくどくなくて良いお肉。


普段、自分で味付けするので割り下が濃く感じたのがちょっと残念。

あっという間に1パックペロリ。

もう1パックはグツグツ煮てペロリ。

〆のうどんも少し食べてお腹いっぱい。


美味しかったー‼️




その後はベッドでゴロゴロしながら

『アキラとあきら』を観た。

池井戸潤氏の作品はかなり読んでるけど、これは未読。

最近、映画化されたけど、アタシ達が観たのはWOWWOW制作。



前回からの続きで3話目を見終わったタイミングで

「今日のワンピースもすごく似合ってて素敵」とキスして来た。

朝、車に乗った時も言ってたけど…

彼はノースリーブのワンピースが好き。



アタシはベリーショートヘアなので

デートの時は女性ならではの服しか着ません。

Tシャツやパンツは着ない。

必ずストッキングを履いてヒールのある靴。

極たまにワイドパンツのスーツを着たりもするけど、基本はスカートかワンピース。

スーツ姿の彼の横にいて違和感の無いように。


男性が着ない、未知のファッション。

某施設で働く嫁が着そうにない、動きのある柔らかな素材の女性らしい服。

嫁が絶対しないネイルもアタシには欠かせません。




「ソネミさん、すーごく綺麗」とうっとりアタシの髪を撫でてる。

「欲しいよ」と求められて…

「お風呂どうする❓」

「貯まるまで我慢出来ない」とバスルームに行った彼。



横を見ると彼のiPad 。

前に彼の嫁の写真を覗き見したアタシ。

もうどんな顔だったのか忘れてしまった。



もっとじっくり見たい。

どんな顔だったか見たい。



禁を犯して、アタシはまたも彼のiPad を手に…




どんどん遡ってスクロールする。



あぁ、早くしないと烏の行水の彼が戻って来てしまう。

7、8年前まで遡っただろうか。




衝撃的な写真が‼️




ドアップでうたた寝している顔。

黒縁眼鏡が鼻に下がり、

おそらく空であろう、激甘コーヒー牛乳の紙パックが胸に乗ってて

だらしなく開いた口からストローがポロリと外れている。



嫁。



でも、アタシにはおじさんにしか見えなかった。



その顔は芸人の◯ンニング竹山氏に激似だった。

他人の空似では済まされないレベルである。

血の繋がった兄妹ではないのか。

遺伝子レベルでクリソツ。

体格も然り。

まさか、本人とか(笑)




彼は一体どう言うつもりでこの写真を撮ったの❓

面白くて❓

可愛いとでも思った❓

こんな写真を撮ってどういうつもり❓



彼の美的感覚はどうなってるの❓

この写真を撮る彼のセンスを疑うわ。


まさか、アタシの事も同じ様に見えてるんじゃないでしょうね💢





勝手に覗き見した癖に言いようのない怒りが込み上げる。


いや、怒っている場合じゃない。

慌てて画面を閉じた。

彼は呑気な顔で出て来て

アタシを抱きしめようとしたけど

スルリとすり抜けてバスルームへ。



彼の事、嫌いになって来たけど

熱いシャワーを浴びてる内に冷静になって来た。



前回同様、全く嫉妬心が湧かない。

竹山氏の顔が嫌いとかでは無い。

ブサイクとも思った事は無かった。

人間、顔が全てとも思っていない。

現に彼はイケメンでは無い。

昔は少しイケメン風だったけど、その時は嫌いだったし

今は昔の面影は欠片も残ってない。



彼はアタシの外見も内面も好きだと言う。

その言葉を信じて愛されよう。




部屋に入ると彼にギューギュー抱きしめられた。

「大好き」

「愛してる」

「綺麗だよ」

愛の確認の間、ずっと言い続けてくれた。




バスローブ着てお行儀悪くベッドで食べた。

ちゃんと冷えてて、とっても甘くて瑞々しくて

美味しかった。

「美味しいね」って笑って食べた。





帰宅してからもずっとチャットしてくれた。

「今日もすごく素敵で綺麗でした」

「可愛かったなぁ」



酔ってたアタシは

「週末は寂しい。

可愛い素敵な奥さんなのかな」って意地悪を言った。


「ソネミさんほど可愛い人はいないよ」

「大好きだよ❤️」

「誰よりもソネミさんが好き」

「世界一好き」







美人も嫌だけど逆も嫌だとは思わなかった。

存在自体が嫌なんだもの。仕方ない。