小さな街の小さな奇跡

アタシが住んでる所はとっても田舎で。

それでもアタシは街の中心地の職場なのです。


朝とお昼はやり取り出来たけど

夕方は忙しいのか、彼から何の連絡も無く…


寂しさを堪えながら仕事を終えて

職場から自転車置き場に向かう途中…



彼「今日は〇〇〇の日」


彼のもう一つの仕事。

繁華街で機械の交換をする仕事で

その後は大抵、その店でお付き合いで飲んで来る彼。


今日は夫が夜勤だから

沢山のチャットで愛が欲しかったのに(;ω;)


彼のその仕事で

一度たまたま、逢えた時があって。

お互い「運命的だったね」と感激しました。


彼「前にバッタリ逢ったのが嬉しくて公園前でつい探しちゃう😍」


その公園前に着いてキョロキョロ見回すも、彼はいない😢

公園地下に自転車置き場はある。


アタシ「公園前だけどいないね」

彼「もう車に乗ったよ❤️」




ヽ(*`皿´*)ノキィィ─︎─︎!!!!




オイ‼️思わせぶりだな‼️

余程、「思わせぶりね」と嫌味送りそうになった💢




アタシは地下の自転車置き場から自転車を動かし

いつもの道をガリガリ漕いでました。




『パァーーーーーン』




響くクラクション。




慌てて急ブレーキを掛けたアタシ。




振り返ると暗闇の中、ライトに照らされ浮かび上がる

この街では滅多に見かけない彼のカッコイイ車✨




彼がニコニコしながら降りて来ました。




彼「ここを通るんじゃ無いかと待ってたよ」

「待ち伏せしてストーカーみたいだね💦」

アタシ「嬉しい」

「ありがと」

「寒いね」


今日はローヒールだったので彼を見上げたら

夜だったから彼の髭が伸びてて

ぽっちゃりな彼が少しシャープに見えて

めちゃくちゃカッコ良かった❤️


思わず、街のど真ん中なのに

アタシが手を差し出したら彼が慌てたように握ってくれて。

自転車で冷えたアタシの手に彼の温もりが伝わり…

惜しむようにお互い何度もギュギュッと握り合いました。

「早く逢いたいよ」と手を離して

「帰ったらチャットするね」と別れました。



アタシ「さっきはありがとう」

「ちょっと感動するくらい嬉しかった」

彼「俺も感動した🥺」

アタシ「アタシが用があって

別ルートで帰ってたら逢えなかったよね」

「時間もぴったり一緒で」

「運命感じちゃった」

彼「俺も運命感じたよ❤️」

アタシ「なんかね、

髭が少し伸びてて

めちゃくちゃカッコ良かった( ♥︎ᴗ♥︎ )」

彼「ホント❓😍」

「嬉しい❤️」




次のデートは3日後。

彼が朝から隣の市で取り引きがあるから

お昼近くからしか逢えないって…

急に予定が入ったみたい(;ω;)


本来は美味しい人気のハード系パン屋さんでバケットを買って

それに合う煮込み料理を作る約束だったのに…

結局、蓋を開けたらそんな次第で。

忙しい彼には頻繁に予定の確認をしないと

すぐに予定を入れられて

刻々と事態は変わってしまう(;ω;)




アタシ「じゃあ、あの人気のパン屋さんでは

お昼には売り切れるから無理だね」

「何処かに食事に行く❓」

「それかリクエストがあったら

何か作るのもいいし」

彼「それならソネミさんの手料理が食べたいよ❤️」

「おにぎらずがいいなぁ」

アタシ「キンパ風にする❓」

彼「それは是非お願いしたい」




アタシは美味しい焼肉のタレのレシピを持ってる。

今までどんな高級な焼肉店のタレよりも美味しいと

自負してる。




そのタレで焼いたお肉をおにぎらずに入れよう。

美味しいナムルも入れて

渾身のキンパおにぎらずを作る❣️




アタシ「何か楽しい❤️」

「♡♡君の好きな物作るの」

「こんな幸せをくれてありがとう」

彼「こちらこそありがとう❤️」

アタシ「大した物作れないのに

食べたいって言って貰えて嬉しいよ❤️」

彼「ソネミさんの手料理は最高だよ❤️」





もーう❤️

張り切って作っちゃう❤️




けど、おかずを入れるおにぎらずに合うおかずって❓




何が合うのかしら❓




この前は唐揚げにしたけど…




彼からのリクエスト待ちです💦











小さな街でほんの数分の触れ合い。

運命的でドラマみたいに車のライトの光の中から

現れた彼。

泣きたいくらい、連れ去って欲しかった。

別々の家に帰る2人。

2人の人生が交わる事は決してないのに

それでも何度も出逢ってしまう。