秘書ソネミ

火曜日。

朝からネガティブなアタシ。



彼「おはよう」

「早く逢いたいよ」

アタシ「気持ちが不安定で悲しい」

彼「ギュッとしたいよ」

アタシ「そばにいて貰えないのが

すごく寂しい」

彼「そばにいたいよ」



願望ばかり言う彼に

「口だけ男」と思ってしまう。



アタシ「叶わない夢ばっかり」

「アタシだけの人じゃないんだもん」

彼「ソネミさんだけだよ」



彼なりに軽々しく言うべきじゃないのかと悩んだのか

最後の返事は30分後でした。




お昼の休憩時間に


彼「休憩してるかな❓」

「俺は14時から〇〇で打ち合わせの予定だよ。

超嫌だ」


終わった案件の面倒に巻き込まれているらしく

珍しくネガティブな彼。



それから1時間後に


彼「打ち合わせ、明後日に勝手に変えられた💢」

「それとゴメン💦」

「明日、□□□□に行かないといけなくなった…

一緒についてきてくれたら嬉しいけど…」

「ダメかな❓」



そうなのです‼️

翌日は待ちに待った久しぶりの長時間デートだったのです。


□□□□は片道2時間半の距離にある場所。

ただでさえ田舎なのに超ど田舎の漁師町。



彼はこの案件に何ヶ月も掛けてて…

相手が漁師さんなので漁が始まって

なかなか予定が合わず…

報酬が150万円とあって彼も成功させたいようで。



アタシ「一緒に行っても大丈夫なの❓」

彼「だって往復5時間…

ソネミさんといたいよ😭」

「ダメ❓」

アタシ「アタシはいいよ」

彼「問題は仕事してる間、どこで待って貰うかだね💦」

アタシ「だいぶかかりそう❓」

彼「1時間くらい」

アタシ「ファストフード店も無いよね💦」

「今はテイクアウトのみだもんね」

彼「それだよ💦」

アタシ「喫茶店とか開いてないかなぁ」

「本屋さんとか」

彼「ゴメンね😭

2ヶ月ずっと待っててようやく取れたアポだから

どうしても変更出来なくて💦」

アタシ「デートは延期していいんだよ」

「気を使わせてゴメンね」

彼「だって折角ソネミさんとゆっくり逢えるのに😢」

「すごく楽しみにしてたんだよ」




コロナ禍で2、3時間しか逢えなかった1ヶ月。

感染者が2週間出なくて、

やっと8時間半のデートが出来るようになった。

「明日はダメになった」とあっさり断られるよりも

どうにかしてアタシと逢いたいと思ってくれる彼が

愛おしい。




アタシ「何だかお荷物になりそうだけど💦」

彼「そんな事無いけど…

俺のわがままが過ぎるかなぁ😢

ソネミさんの負担が大きいかも知れない」

アタシ「待つのはいいよ」

「邪魔じゃないかと💦」

彼「邪魔じゃないよ」

アタシ「いい子で待つから連れて行って」






翌日は快晴でドライブ日和。

この日訪れる場所はアタシ達の住む地域よりも

感染者が多く出た地域に近い場所にあり…

ちょっと緊張します💦




ランチはどうしよう❓と前日から調べるも

大体15日以降より営業開始します、と言った所が多い。

彼が行ってみたいと言うお店は

某書店のフードコートにも出店している有名店の本店。

ラーメンと焼肉があるからシェアしよう、って事らしい。

アタシはラーメンは基本的に3本くらいしか食べないので(笑)

彼がほとんど食べる事になるだろうけど。

おそらくまだ休業してるんじゃないかな…





アタシはすごくお腹が弱くて

ほぼ毎日お腹を壊してるのですが、

その日も朝からお腹を壊してました。

長距離ドライブが不安でしたが、午前中は大丈夫でした。



お昼近くになり、彼の行きたかったラーメン屋さんは

予想通り閉まってました。

通りすがりに洋食屋さんが開いてるのを見かけて

入ってみました。

お客さんは少なく、安心して食べられました。



アタシはその地域のブランド豚の丼。

彼はハンバーグ定食を注文しました。


お味は…普通(笑)


アタシは堅いお肉は苦手なので半分食べて

彼に完食してもらいました。





そして、延々続く田舎道。

元々田舎者だけど、こんなに何にもない風景にビックリ。

そして、お腹の弱いアタシは早速お腹が痛くなって来ました。


建物が無いからトイレも無い。


彼「トイレは大丈夫❓」



アタシは彼に「トイレに行きたい」は言わないのです。

昔のアイドルではないですが、彼に想像されたくないので

「お化粧直したい」と言いました。



お腹はかなりやばい感じ💦

やっとコンビニが見えて来ました😅


焦る気持ちを押さえてコンビニに入ると

「感染予防の為、トイレのご利用はご遠慮下さい」と

張り紙と紐で封鎖されてました。



ガ━︎━︎━︎━︎━︎━︎Σ(゚д゚lll)━︎━︎━︎━︎━︎━︎ン




オナカイタイ(;ω;)




彼「え〜‼️(地元では)こんな事、何処もしてないよね❓」

アタシ「うん…」




もう一軒、今回彼の仕事で行くお店の隣にあるコンビニへ。

そこもさっきのコンビニと同じ系列のお店。

同じくトイレは封鎖されてました💦



いよいよお腹が痛くなって来ました😱



ヤバイヨヤバイヨヤバイヨ💦



彼の車のナビで『コンビニ』と調べるも

トイレを封鎖していたチェーン店しか出ない。

ここの地方は〇ーソンしかないんかい💢



彼の車のナビで『ファミレス』と調べたら

「和食さくら」とか地元の個人経営の食堂しか出ない。


彼の仕事中、待つ場所も確保しないと💦

外はかんかん照りで車の中にいたら

熱中症で死んじゃう🥵



途中でDSを見つけて入ったら

トイレが使えてようやく入れました💦💦

彼に慌てる素振りも見せず(笑)

やっと落ち付きました😅



今度は喫茶店を探すも見つからない😰

やっと見つけたらテイクアウトオンリーのお店で…

ここでタイムアウト😂


彼「もう時間が無いよ。

ソネミさんに秘書デビューしてもらおうか」





((((;゚Д゚)))))))えーーーーーー⁉️





彼「付いて来てもらうしかないね。

大丈夫。

特に何もしなくていいから」



この日は黒のワイドパンツとデザインのあるブラウスの

セットアップ。

ぱっと見はとても地味です。



彼は「何だか楽しくなって来た」と嬉しそう。

あっという間にその店に到着。

ちょっとドキドキ💓




建物に入って支店長と支店長代理の方とご挨拶。

彼は名刺交換して、アタシを紹介してくれました。

「秘書の⭐︎⭐︎(旧姓)です。

別件もあったので同行させました」

アタシも頭を下げて名刺を頂戴しました。



そして、漁師のお客様登場。

彼はアタシの説明をして皆で着席。

漁師さんはアタシをガン見してました(笑)


スムーズに話は進み、お客様が申し込みして終了。

1時間かからないくらいでした。

ご挨拶して解散しました。



車に戻って手を繋いで


彼「美人秘書さん、お疲れ様」

「バイト代払わなきゃね(笑)」

アタシ「何にもしてないもん」

彼「愛人連れて来たと思っただろうなぁ(笑)」

アタシ「見てないとは思うけど

ピアス6個つけて指輪もジャラジャラつけて

ネイルが真っ赤だったからお名刺頂戴する時

ドキドキしたよ」

彼「普通の人とは違うからね(笑)」

「でも、またこんな機会があるかもしれないから

ソネミさんの名刺作ろうかな」



楽しそうな彼。



彼「でも歴代の事務員さん、

皆美人だったから勉強の為に同行させたら

必ず「愛人連れて来た」って言われたよ」




ヽ(*`皿´*)ノキィィ─︎─︎!!!!




そうなのです。

彼の周りにはいつも美人がいます。

アタシの知ってる従業員さんもめちゃくちゃ綺麗。

元カノも美容家で美人だと有名で。

元婚約者もめちゃくちゃ美人だと評判でした。



アタシ「もう嫌い」

「美人が周りにいっぱいいる人は好きじゃない」

彼「1番美人なのはソネミさんじゃないの」

「それに他の人には興味ない」

「俺はこの美人にしか興味ないし

ソネミさんが好きなんだ」


とアタシの手の甲にキスをして


「ソネミさんと愛し合いたい」

「ホテルに行ってもいい❓」と言いました。


そして、近くの山の上のホテルへ。

「今朝逢ってからずっと欲しかった」と

ギュッと抱き締められて深いキス。


「大好きだよ」

「欲しかった」と愛の確認。



シャワーを浴びてエアコンの音しかしない、

静かな部屋で抱き合いながら、ずっとキスを繰り返していました。



そして、アタシの帰宅の時間。



「帰りたくないね」と出口で抱き締められながら

キスをして。


帰宅後も沢山チャットしてくれましたが

疲れていた彼が寝落ちして終了。





秘書ソネミの出番はこれからもあるのでしょうか❓

ちょっとスリリングで楽しかったです(笑)





今日は14時から打ち合わせのある彼。

16時から2時間だけ時間があるアタシ。

タイミングが合えば逢えそう。

抱き合うだけになるかもしれないけど…

求められると嫌とは言えないアタシなのです。